診療放射線技師 過去問集
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核医学検査技術学

放射性医薬品を投与し、その集積・排泄の分布や時間変化から臓器の機能を画像化する検査(シンチグラフィSPECTPET)の原理、装置特性、疾患別検査法、内用療法、品質管理を扱う。国試では「放射性医薬品」と「対象臓器・集積機序・撮影タイミング」の組合せが最頻出である。

放射性医薬品と検査対応

薬剤名を単独で覚えず、対象臓器・機序・撮影時期・特徴を束ねて学習する。

国試ポイント: 集積機序(能動輸送・受容体結合・化学吸着・塞栓・拡散)を臓器・撮影時期とともに整理する。

主要核種の放出γ線(PETは消滅放射線)エネルギー・物理的半減期・代表的用途を整理する。

核種主なエネルギー物理的半減期代表的用途
⁹⁹ᵐTc140 keV約6時間骨・腎・甲状腺・肺血流など汎用(低エネルギー用コリメータ)
¹²³I159 keV約13時間脳血流(IMP)・MIBG・イオフルパン・甲状腺
¹⁸F511 keV(消滅放射線)約110分FDG-PET(ブドウ糖代謝)
⁶⁷Ga93・185・300 keV約78時間腫瘍・炎症シンチ(投与48〜72時間後撮影)
²⁰¹Tl約70〜80 keV(特性X線)約73時間心筋血流(能動輸送)

国試ポイント: ⁹⁹ᵐTc=140keV/約6時間、¹⁸F=511keV(消滅放射線)/約110分は最頻出。⁶⁷Ga は複数の光子ピークをもつ。

ガンマカメラとコリメータ

NaI(Tl)シンチレータ光電子増倍管、位置演算回路でγ線の位置とエネルギーを求める。NaI(Tl)は吸湿性が高く黄変すると感度均一性が低下する。厚いほど感度は上がるが空間分解能は落ちる。CdZnTe(CZT)半導体を用いた直接変換型カメラは常温動作・高エネルギー分解能・良好な計数率特性をもつ。

図: ガンマカメラ(シンチカメラ)の構成。被写体からのγ線(橙)は鉛コリメータで入射方向が制限され、NaI(Tl)シンチレータで蛍光に変換、ライトガイドを経て光電子増倍管(PMT)群で電気信号となり、位置演算回路で入射位置(X,Y)とエネルギー(E)が求められる。
図: ガンマカメラ(シンチカメラ)の構成。被写体からのγ線(橙)は鉛コリメータで入射方向が制限され、NaI(Tl)シンチレータで蛍光に変換、ライトガイドを経て光電子増倍管(PMT)群で電気信号となり、位置演算回路で入射位置(X,Y)とエネルギー(E)が求められる。

国試ポイント: コリメータ種類と核種エネルギー、距離・穴径・穴長・隔壁厚と分解能/感度/ペネトレーションの関係を区別する。

SPECT(再構成・減弱補正)

周囲を検出器が回転して多方向から投影データ(サイノグラム)を収集し断層像を再構成する。

国試ポイント: FBPと逐次近似法、各補正法(減弱・散乱・コリメータ開口)を目的別に整理。

PET(消滅放射線・同時計数・FDG)

陽電子が電子と対消滅して正反対方向へ飛ぶ2本の消滅放射線(各511keV)を対向検出器で同時計数(LOR)して画像化する。コリメータは用いない。偶発同時計数は投与放射能量にほぼ比例、減弱補正にはX線CT像を用いる。

国試ポイント: 同時計数の種類と補正法、TOF・3D収集の利点、FDGの生理的集積部位(肺は除く)。

データ収集と定量(SUV等)

SUVは組織内放射能濃度を(投与放射能量/体重)で割った半定量指標で、算出には腫瘍部放射能濃度・投与放射能量・体重が必要。PET装置とドーズキャリブレータのクロスキャリブレーションが前提。18F-FDGの主な排泄経路は腎・尿路系で、ダイナミック収集が必須の指標にLHL15や腎Tmaxがある。

国試ポイント: SUV=組織内放射能濃度÷(投与放射能量/体重)を押さえる。

内用療法

国試ポイント: 核種と適応(131I:甲状腺、223Ra:骨転移)、Quimbyの式の変数を対応づける。

品質管理

ドーズキャリブレータ(電離箱式)には核種ごとの換算定数が設定される。ジェネレータから娘核種を抽出する操作をミルキングという。JESRA X-0067では固有均一性・回転中心ずれが毎月、SPECT均一性が6か月ごとの点検項目。手術中のセンチネルリンパ節同定にはガンマプローブを用いる。投与時副作用で最多は血管迷走神経反射で、患者急変時は検査を中断し医師の指示を仰ぐ。

国試ポイント: 点検項目と頻度、換算定数・ミルキングの用語、副作用の最多が血管迷走神経反射である点。

頻出ポイント

臓器別検査と正常分布

検査主な薬剤・核種画像・曲線で見る点
脳血流SPECT99mTc-HMPAO、99mTc-ECD、123I-IMP大脳皮質・小脳の分布、左右差
DAT SPECT123I-イオフルパン線条体集積。尾状核・被殻の形と左右差
心筋血流201Tl、99mTc-MIBI、99mTc-tetrofosmin負荷・安静、欠損の可逆性、極座標表示
心筋交感神経123I-MIBG心縦隔比、washout rate
肺血流99mTc-MAA肺動脈より末梢の毛細血管分布
肺換気81mKr、133Xeなど換気分布。肺血流像と比較
肝胆道99mTc-PMT系肝集積、胆道排泄、胆囊・腸管への移行
腎動態99mTc-MAG3、99mTc-DTPA血流相、機能相、排泄相、レノグラム
腎静態99mTc-DMSA腎皮質分布、左右分腎機能
甲状腺123I、99mTcO4-摂取率と分布。hot・cold nodule
99mTc-HMDPなど骨代謝亢進部位。腎・膀胱も描出
腫瘍・炎症67Ga、201Tl、FDGなど生理的集積と病的集積の区別

レノグラム

PETと定量

画像再構成・補正

項目目的・特徴
減弱補正体内吸収による深部の計数低下を補正
散乱補正エネルギーウィンドウ外・周辺の散乱成分を推定。TEW・DEWなど
均一性補正検出器面内の感度むらを補正
COR補正SPECT回転中心のずれを補正
FBPフィルタ処理後に逆投影。高速だがノイズ・アーチファクトの影響
OSEM投影データをsubsetに分けて逐次更新
Butterworth filter低域通過フィルタ。cutoffとorderで平滑化を調整
Ramp filterFBPでぼけを補正する高域強調特性

インビトロ検査とMIRD

装置の品質管理

国試画像・図表

この科目の画像・グラフ・表を使う問題を全て掲載しています(画像・グラフ・図表 7問)。図が複数ページに分かれている問題も省略していません。画像はタップで拡大できます。正答は最初は隠してあり、「正答と見分け方」を開くと学習用のWebP図と全選択肢を確認できます。
画像・グラフ・図表(7問)
第78回 午後19画像・図表
第78回 午後19 別冊No.5
別冊No.5

放射性医薬品投与 2 時間後のシンチグラム(別冊No. 5)を別に示す。 投与部位はどれか。

正答と見分け方

正答:4

第78回 午後19の画像と見分け方
元の問題図と見分け方を1枚で確認

下肢のリンパ管に沿った索状集積とリンパ節集積は、皮下(間質)投与によるリンパシンチグラフィの所見である。

  1. 経口
  2. 静脈
  3. 動脈
  4. 皮下
  5. 脳脊髄腔
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第77回 午後16画像・図表
第77回 午後16 別冊No.6
別冊No.6

正常の脳核医学画像(別冊No. 6)を別に示す。 使用した放射性医薬品はどれか。

正答と見分け方

正答:5

第77回 午後16の画像と見分け方
元の問題図と見分け方を1枚で確認

脳PET像で皮質(灰白質)の集積は低く、白質に沿った分枝状の高集積と灰白質・白質の明瞭なコントラストを示しており、正常例のアミロイドPET(18F-フルテメタモル)の像である。正答は5。

  1. 123I−IMP
  2. 18F−FDG
  3. 15O−CO2 ガス
  4. 123I−イオフルパン
  5. 18F−フルテメタモル
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第74回 午前29画像・図表
第74回 午前29 別冊No.7
別冊No.7

放射性医薬品投与3時間後のシンチグラム(別冊No.7)を別に示す。投与部位はどれか。

正答と見分け方

正答:5

第74回 午前29の画像と見分け方
元の問題図と見分け方を1枚で確認

前面・後面像とも頭蓋の脳槽から脊柱管に沿って集積が細長く連なる。RI槽撮影の像。

  1. 経口
  2. 静脈内
  3. 動脈内
  4. 膀胱内
  5. 脳脊髄腔内
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第73回 午前28画像・図表
第73回 午前28 別冊No.5
別冊No.5

投与2時間後の正常の腎シンチグラム(別冊No.5)を別に示す。使用された放射性医薬品で正しいのはどれか。

正答と見分け方

正答:4

第73回 午前28の画像と見分け方
元の問題図と見分け方を1枚で確認

投与2時間後も両腎皮質に集積が残り膀胱への排泄像が乏しい。腎皮質固定型の99mTc-DMSA。

  1. 99mTc-HSA
  2. 99mTc-MAA
  3. 99mTc-MAG3
  4. 99mTc-DMSA
  5. 99mTc-DTPA
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第73回 午後28画像・図表
第73回 午後28 別冊No.4
別冊No.4

心筋シンチグラフィの極座標表示(別冊No. 4)を別に示す。 矢印で示す心筋壁はどれか。

正答と見分け方

正答:2

第73回 午後28の画像と見分け方
元の問題図と見分け方を1枚で確認

心筋ポーラーマップは中心が心尖部・周辺が基部で、上方が前壁。矢印は上方から指しており前壁。

  1. 下壁
  2. 前壁
  3. 側壁
  4. 中隔
  5. 心尖部
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第72回 午後25画像・図表
第72回 午後25 別冊No.5
別冊No.5

脳 SPECT 像(別冊No. 5)を別に示す。 使用された放射性医薬品はどれか。

正答と見分け方

正答:4

第72回 午後25の画像と見分け方
元の問題図と見分け方を1枚で確認

脳SPECTで両側線条体にコンマ状の強い集積を認め背景は低く、ドパミントランスポータ画像。123I-イオフルパンによる。

  1. 99mTc - ECD
  2. 99mTc - HMPAO
  3. 123I - IMP
  4. 123I - イオフルパン
  5. 123I - イオマゼニル
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第70回 午前33画像・図表
第70回 午前33 別冊No.4
別冊No.4

放射性医薬品を投与後、経時的に撮影された腹部前面像(別冊No. 4)を別に示す。 使用された放射性医薬品はどれか。

正答と見分け方

正答:4

第70回 午前33の画像と見分け方
元の問題図と見分け方を1枚で確認

5〜40分の経時像で肝に集積後、経時的に胆道系〜腸管へ排泄されており肝胆道シンチである。該当薬剤は99mTc-PMT。

  1. 99mTc - スズコロイド
  2. 99mTc - フチン酸
  3. 99mTc - GSA
  4. 99mTc - PMT
  5. 99mTc - tetrofosmin
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国試での出題(年度別)

この科目はデータのある年度で計 167 問。番号をタップで問題へ。解いた記録は緑/赤の枠で残り、右上の青点は解説ありです。

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