
スリット法で測定した CR システムのプリサンプリング MTF を図に示す。 高空間周波数領域で MTF が上昇している原因として考えられるのはどれか。
正答と見分け方
正答:5

スリット法のプリサンプリングMTFが高空間周波数で上昇するのは、金属スリット長軸を画素列に平行に置いてエイリアシングを生じたため。
- 階調処理が影響した。
- 有効露光量変換を行わなかった。
- イメージングプレートが劣化していた。
- 量子モトルによる雑音が強く影響した。
- 金属スリット長軸を画素列と平行にした。
画像工学は医用画像の「画質」を客観的な物理量として扱う分野である。解像特性・ノイズ特性・コントラストを軸に、これらを統合したDQE、標本化・画像処理・ROC解析までを体系的に押さえることが対策の要となる。
空間分解能(鮮鋭度)を空間周波数ごとに評価する指標がMTF(変調伝達関数)で、入力振幅に対する出力振幅の比を空間周波数uの関数で表す。

国試ポイント: LSFはESFの微分、全体MTFは各要素の積、プリサンプリングMTF>オーバーオールMTF。
国試ポイント: WSは濃度変動のフーリエ変換の絶対値の2乗、CT画像で直流成分0、線量依存は量子雑音のみ。
被写体コントラストは被写体の厚さ・実効原子番号・密度、入射X線のスペクトル(線質)、検出器に入射する散乱線で決まる。感度・階調特性はセンシトメトリ(特性曲線)で評価する。
国試ポイント: 感度が高いほど曲線は左、階調度が高いほどコントラストが高い、タイムスケール法は相反則不軌の影響を受ける(デジタルでは非)。
DQE(検出量子効率)は、検出器がX線光子の情報をどれだけ効率よく画像に伝達できるかを表す総合指標で、DQE = SNR_out^2 / SNR_in^2 で定義される無次元量である。
主要な画質評価指標を整理すると次のとおりである。
| 指標 | 評価する画質 | 定義・求め方 | 良い方向 |
|---|---|---|---|
| MTF(変調伝達関数) | 解像特性(鮮鋭度) | 入出力振幅比を空間周波数の関数で表す。LSF等のフーリエ変換の絶対値 | 高いほど良い(u=0で1) |
| ウィナースペクトル(WS=NPS) | ノイズ特性 | 濃度(画素値)変動のフーリエ変換の絶対値の2乗 | 低いほど良い |
| RMS粒状度 | ノイズ特性(粒状性) | 濃度変動の標準偏差値(全周波数の総和に対応) | 低いほど良い |
| DQE(検出量子効率) | 総合効率(解像+ノイズ) | SNR_out² / SNR_in²(MTFとNPS両方に依存) | 高いほど良い(最大1) |
国試ポイント: DQEは無次元(SN比の2乗の比)、最大値1、MTFとNPS両方に依存。
アナログ画像のデジタル化は標本化→量子化の順で行う。

国試ポイント: ナイキスト周波数=1/(2Δx)、アンチエリアシングフィルタ、畳み込みは周波数領域で積。
ROC解析は観察者の信号検出能を判定閾値によらず評価する手法である。
国試ポイント: AUCは2肢強制選択法の正答率に対応、真陰性率=1−偽陽性率、有意差検定はJackknife法。
国試ポイント: GSDFの目的、輝度比=最大/最小輝度、CRの輝尽発光→電気信号変換と白色光消去。
| 測定法 | 得られるもの | 注意 |
|---|---|---|
| スリット法 | スリット像から線像強度分布LSFを得てフーリエ変換 | 配置精度、トランケーション、倍数露光 |
| エッジ法 | エッジ像からESFを得て微分しLSFへ変換 | デジタル装置で扱いやすい |
| 矩形波チャート法 | 矩形波レスポンスからコルトマン補正でMTFへ | 視覚評価の影響、チャート配置 |
| ピンホール法 | 点像強度分布PSFを測定 | 二次元特性を得られる |

スリット法で測定した CR システムのプリサンプリング MTF を図に示す。 高空間周波数領域で MTF が上昇している原因として考えられるのはどれか。
正答:5

スリット法のプリサンプリングMTFが高空間周波数で上昇するのは、金属スリット長軸を画素列に平行に置いてエイリアシングを生じたため。

C‑D〈contrast‑detail〉曲線を図に示す。 曲線のうち低コントラストの識別能が最も高いのはどれか。
正答:1

C-D 曲線は各直径で識別に必要な最小コントラストを示し、原点に最も近い(低い)曲線ほど小さいコントラストまで識別できる。図で最も内側・低位のアが低コントラスト識別能が最も高い。

図のような周期パターンの Michelson〈マイケルソン〉コントラストはどれか。
正答:1

周期パターンのMichelson(マイケルソン)コントラストは (Lmax−Lmin)/(Lmax+Lmin) で定義される(0〜1の無次元量)。図の周期パターンの最大値と最小値を読み取り、この式に代入して算出する。定義上1を超えることはないため、1より大きい選択肢は原理的に誤りとなる点が判別の鍵である。

図 A に 1 次元フィルタ(−1,1,0)で重畳積分処理したものを図 B とする。 使用したフィルタで正しいのはどれか。
正答:1

重畳積分に用いたフィルタ係数(−1,1,0)は隣接する画素値の差分(x[n+1]−x[n]に相当する演算)を計算するものであり、これは画像における一次微分(エッジ抽出)に対応する係数配置である。

図は 3 × 3 の局所画像の画素値である。 この局所画像に 3 × 3 のメディアンフィルタ処理をした結果はどれか。 87 29 96 37 95 30 79 6 76
正答:4

3×3局所画像の画素値87, 29, 96, 37, 95, 30, 79, 6, 76を昇順に並べると6, 29, 30, 37, 76, 79, 87, 95, 96となり、9個の中央(5番目)の値は76である。メディアンフィルタは近傍画素値を並べた中央値を出力する処理である。

図の中で CR 画像読み取り装置に用いられている log アンプの電圧入出力特性を示しているのはどれか。 ただし、Vin は入力電圧、Vout は出力電圧、グラフは横軸・縦軸ともリニアスケールとする。
正答:4

CR画像読み取り装置のlogアンプは、輝尽発光の広いダイナミックレンジを圧縮するため出力を入力の対数に比例させる(Vout∝log Vin)。リニアスケールで描くと、入力が小さいうちは急峻に立ち上がり、入力が大きくなるほど傾きが緩やかになる上に凸の対数曲線になる。直線・指数(下に凸)・原点付近が平坦な曲線と区別する。

ROC 曲線を図に示す。 感度 90%のときの特異度はどれか。
正答:3

ROC曲線で感度(TPF)0.90に対応するFPFは約0.3。特異度=1−FPF=1−0.3=0.7=70%。

図に標本化間隔 0.1 mm の CR システムを用いてエッジをわずかに傾斜させて計測したプリサンプルド MTF を示す。 この CR システムの 4 cycles/mm のデジタル MTF 値に最も近いのはどれか。
正答:2・3・4・5

標本化間隔0.1 mmのCRのナイキスト周波数は1/(2×0.1)=5 cycles/mm。4 cycles/mmはこれに近く、プリサンプルドMTFに折り返し(エイリアス)成分が重畳するため、読み取り値には幅が生じ一意に定まらない。このため採点上は 0.15 を除く4つ(0.22・0.35・0.46・0.50)が正解として扱われた。

解像力チャートの像(別冊No. 17)を別に示す。 空間周波数[cycles/mm]に最も近いのはどれか。
正答:2

幅12.8mmの中に黒縞が8本(8ラインペア)並ぶので、空間周波数=8÷12.8=0.625≈0.6 cycles/mm。

図の ROC 曲線で、雑音のみの確信度正規分布の標準偏差が信号ありの確信度正規分布の標準偏差より小さいときの曲線はどれか。
正答:3

ROC曲線の非対称性を問う。両分布の標準偏差が等しいとROC曲線は対角線に関して対称になる。雑音のみの分布の標準偏差が信号ありの分布より小さい(不等分散)場合、ROC曲線は対称形からずれ、偽陽性率が低い領域での立ち上がりが変化した非対称曲線となる。等分散の対称曲線と区別してこの非対称形を選ぶ。

図に検出器システム A〜E の MTF と Wiener〈ウィナー〉スペクトルを示す。 階調度が一定のとき、高周波領域の NEQ が最も高いのはどれか。
正答:4

NEQ∝MTF²/ウィナースペクトルで,高周波域でMTFを保ちつつウィナースペクトルが低いDが最大。

検出系に全くボケがない理想的な画像システムの量子雑音 n(x)を図 A に示す。 図 B にこの雑音の自己相関関数 Φ(τ)と振幅パワースペクトル F(u)を示す。 ア〜オの組合せで正しいのはどれか。
正答:1

理想系の量子雑音は白色雑音で、自己相関はτ=0のみ無限大のデルタ、パワースペクトルは全周波数で一定。この組合せはア。

図のROC曲線について正しいのはどれか。
正答:5

正答: 5

図のように厚さ x[cm]の水ファントム(背景)の中に直径 d[cm]の球状の気泡がある。この水ファントムに光子フルエンス ϕ0 の一様な X 線を入射させたとき、背景を透過した光子フルエンスを ϕ1、気泡の中心を透過した光子フルエンスを ϕ2 とする。背景に対するこの気泡の被写体コントラスト C を C=(ϕ2 − ϕ1)/ϕ1 で定義するとき、C を表す式で正しいのはどれか。 ただし、この入射光子エネルギーに対する水の線減弱係数を μ[cm⁻¹]とし、気泡中の光子の減弱は考えない。また、散乱線の寄与は無視する。
正答:1

背景(水厚x)を透過した光子フルエンス φ1=φ0·e^(−μx)。気泡(厚さd、減弱なし)を含む中心では水厚が(x−d)となり φ2=φ0·e^(−μ(x−d))。被写体コントラスト C=(φ2−φ1)/φ1=φ2/φ1−1。φ2/φ1=e^(−μ(x−d))/e^(−μx)=e^(μd) より C=e^(μd)−1 となる。指数の符号を取り違えない点が要である。

図のような3個の線形シフト不変システムが連結された画像システムがある。空間周波数2.0 cycles/mmにおけるシステム1、システム2及びシステム全体のMTF値がそれぞれ0.7、0.7及び0.2であるとき、システム3の2.0 cycles/mmにおけるMTF値に最も近いのはどれか。
正答:3

線形シフト不変システムを直列接続した系全体のMTFは各段のMTFの積になる。MTF全体=MTF1×MTF2×MTF3より、0.2=0.7×0.7×MTF3。したがってMTF3=0.2÷0.49=0.408。

図に示す余弦関数を Fourier〈フーリエ〉変換した結果で正しいのはどれか。2つ選べ。
正答:2・4

図は平均3.0・振幅1.0・周期1mm(山4.0・谷2.0)の余弦波。偶関数の余弦波はフーリエ変換で実数部のみとなり、±1cycle/mmに実数部1.0が立ち虚数部は0、直流(0cycle/mm)成分は平均の3.0。

デジタル撮影システム A と B のデジタル特性曲線を図に示す。 システムの特性として正しいのはどれか。
正答:5

デジタル特性曲線(画素値対 比露光量の対数)。A(破線)は傾きが急でlog約3.0で最大に達し、B(実線)はlog約4.0まで直線でダイナミックレンジが広い。傾きの急なAは同一被写体で画像コントラストが高い。

二次元画像の画素値を図に示す。この画像に平均値フィルタを用いた重み係数1のアンシャープマスク処理をしたとき、座標(1,1)における出力値で正しいのはどれか。
正答:2

画素値表で(1,1)を中心とする3×3の平均は(1+6+7+5+1+0+5+8+3)/9=36/9=4、中心画素は1。重み係数1のアンシャープマスクは 出力=元+(元−平均)=2×1−4=−2。

信号および雑音からなる試料と雑音のみの試料を観察して得られた、確信度の確率密度分布を図に示す。上が信号および雑音、下が雑音のみの分布である。 しきい値を T としたとき、TNF を表す領域は図中のどれか。 なお、A から D は、曲線下面積を表すものとする。
正答:2

上が信号+雑音、下が雑音のみの確信度分布。閾値Tより右を陽性、左を陰性と判定する。真陰性(TN)は雑音のみを正しく陰性とした領域で、下側分布のTより左のC。

デジタル X 線画像検出器のアパーチャ MTF を図に示す。 検出器の開口幅'mm)はどれか。
正答:2

アパーチャMTFは開口幅aに対しsinc型で、最初の零点は空間周波数f=1/aに現れる。図では最初の零点が2 cycles/mmなので、a=1/2=0.5 mm。

信号を含む画像(信号+雑音像)が提示された場合と雑音のみの画像(雑音像)が提示された場合の観察者の反応の条件付確率密度関数を図に示す。 得られる ROC 曲線はどれか。
正答:3

雑音像と信号+雑音像の分布は重なりが小さく良好に分離している。分離が良いほどROC曲線は左上に強く張り出すため、対応するのはC。
この科目はデータのある年度で計 80 問。番号をタップで問題へ。解いた記録は緑/赤の枠で残り、右上の青点は解説ありです。