第76回 午後 問72
中性子の性質で正しいのはどれか。
- 1自由空間中では β+ 壊変する。
- 2静止質量は陽子と電子の静止質量の和よりも大きい。
- 3熱中性子の室温でのエネルギーの最確値は 0.25 eV である。
- 4熱中性子の捕獲反応断面積は中性子の運動エネルギーに反比例する。
- 5速中性子が重陽子と弾性散乱したとき失う運動エネルギーの最大値は散乱前 の運動エネルギーに等しい。
正答: 2
中性子の静止質量エネルギー(約939.57MeV)は、陽子(約938.27MeV)と電子(約0.511MeV)の静止質量エネルギーの和(約938.78MeV)より大きい。この質量差が自由中性子のβ−壊変を可能にしている。
- × 自由空間中の中性子はβ−壊変(中性子→陽子+電子+反電子ニュートリノ)を起こし、β+壊変ではない。
- ○ 中性子の静止質量は陽子と電子の静止質量の和よりも大きく、この差により自由中性子はβ−壊変する。
- × 熱中性子の室温でのエネルギーの最確値は約0.025eVであり、0.25eVではない。
- × 熱中性子の捕獲反応断面積は中性子の速度に反比例する(1/v則)のが典型的で、運動エネルギーに反比例するわけではない。
- × 弾性散乱で失う運動エネルギーの割合は標的核質量に依存し、中性子と質量がほぼ等しい水素との衝突で最大となるが、質量数2の重陽子では100%には達しない。
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